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劇団ラッパ屋

第6回公演
『星空のチャーリー・パーカー』

1987年8月23日(日)~30日(日) 10ステージ @シアタートップス

第6回公演『星空のチャーリー・パーカー』
第6回公演『星空のチャーリー・パーカー』
第6回公演『星空のチャーリー・パーカー』

キャスト

アキラ
福本伸一
宍戸
長谷川晃示
桐島
竹内義明
とん平
与儀省司
室田
久保孝一
留吉
岡山一
夏目
熊川隆一
みみ
和田都
ルリ子
早川晃子
オサカベ
平野裕美
ピー
深澤美恵
パー
溝口直子
ヒデコ
平田恵子
トラコ
武隈繁美
あかね
萱野忍
西園寺
大草理乙子
おばば
青木朋子

スタッフ

作・演出
鈴木聡
美術
川口夏江
照明
板谷静男
音響
祇園幸雄
衣裳
喇叭屋衣裳部
舞台監督
村岡晋
宣伝美術
坂本拓也
協力
演劇集団キャラメルボックス
劇団てあとろ50’
加藤昌史
今吉順子
大森美紀子
制作
喇叭屋制作部
近藤達朗
山家かおり
企画・製作
サラリーマン新劇喇叭屋

第6回公演『星空のチャーリー・パーカー』

チラシの裏口上

タイプ別4つの口上

・サラリーマンのあなたへ
サラリーマンになって、夏がツマンなくなった。
長い夏休みがない。初体験のドキドキももうない。
あるのは汗で透けたワイシャツと、オフィスの高校野球観戦と、ビヤガーデン通いのクサイ息だけ。
いつ始まっていつ終わったんだかもわかんない。
暑いだけよ、暑いだけ。いやんなっちゃうなあ。
「星空のチャーリー・パーカー」は、そんなあなたに贈る1960年・真夏のスーダラ・ヌーベルバーグであります。
ヒーローを夢見る青年。落ち目の日活スター。
炸裂するモダンジャズ。チャイナドレスの乱舞。
あの熱い夏をもう1度。
サラリーマンの夏バテに効く、
「ナイフで切ったような」夏の終わりを御覧にいれるのだ。
・演劇マニアのあなたへ
あのね、告白しますとね、
評論家の先生がホメてる小劇団とか見に行くでしょ。
そうすると、みんな笑ってるのに私だけ笑えない
という状況がシバシバあるんですわ。
もう恥ずかしいですわ。頬から火がでますわ。
いまの芝居って踏み絵なのですね。
笑えるか笑えないかで「オシャレな若者」か「ダサイおっさん」か分ってしまう。
悔しいから私ら、おっさんにもバーサンにも
お楽しみいただけるモノを演る心意気であります。
だからアンドロイドも核戦争も少女の夢もでてこない。
でもね、人情があります。評論家の先生なんかに、
ホメてもらわなくたっていいんだい。
・モダンジャズ・ファンのあなたへ
チャーリー・パーカーの伝記「バードは生きている」、読みました?
いやあ良かったなあ。
パーカーって、酒とか麻薬ガンガンやって、ガンガン女抱いて、
ガンガン食って、ガンガン吹いたんだよね。
やっぱ人間、ガンガンだな、
と思ってパーカーの芝居つくろうとしたんだけど、
うちの劇団、黒人いないしね。
僕ら天才でもないし、キチガイでもないから、
せめてパーカーが好きだよ、っていう芝居をやろうと思います。
アート・ブレイキーや、ギル・エバンズの曲なんかも使うから、
ピットインに行く前にでも、寄ってよね。
・喇叭屋ごひいきのあなたへ
いつもご観劇いただきまして、誠に有難うございます。
旗揚げ以来お世話になっておりました
高田馬場・東芸劇場がなくなってしまったので
(決して私らがツブしたのではない)
初めてのTHEATER TOPSでの公演です。
いゃあ、キンチョーします。とてもキレイだし、
上にはBARなんかもありますしね。
劇団員もドッとふえて、いつにも増してニギヤカにやりたい。
お勤め帰りにもお寄りやすいよう7時半開演にしました。
上司・得意先・オフィスラブのお相手を連れて
ニギニギしくお集まりください。

パンフレットより

丸の内にモダンジャズ

ジャズの愛聴盤を聴くことは、大好きな友達のひとりごとを聞くことに近い。マイルス・デイビスがボソボソ吹いたり、オスカー・ピーターソンがペラペラ弾いたりするのを、うんうんわかるよ、と聴いている。ジャズに譜面はない。だからステージに立った時や、レコードを吹き込む時の、プレーヤーの気持がそのまま音になる。ジャズの愛聴盤とは、その時の自分にピッタリくる気持のことだ。当然、恋人がかわったり、住所がかわったり、歳をとったりすると、好きなプレイヤーや好きな時代もかわる。そうやってモダンジャズファンは、限りなくレコード遍歴を重ねてゆくのだ。
思えばジャズに限らず、歌謡曲もロックもレゲエも、きっとみんな、そうなんだ。好きな音楽は、そのひとのベースになっている気持。気分。もしかすると、世界がどう見えてるかってこと。そういえば、初対面の人と会った時、音楽のことで話が合うと、なんかその人がわかったような気がして安心するものね。そんなことを考えながら丸の内を歩くのは楽しい。あのオッサンの頭の中は「ブルーハワイ」だろーとか、このおいちゃんの頭の中は「僕は泣いちっち」じゃないかとか。きっと会社の会議室で廊下で給湯室で、ジョン・レノンが、ボブ・マーリーが、ベートーベンが、三波春夫が、音もなく響いているのである。丸の内も、捨てたもんじゃないね。
ま、そういうわけで、僕たちは今のところ、頭の中でチャーリー・パーカーを鳴らしているサラリーマン・OLである。きょうのお芝居が、皆さんのきょうの気持ちにピッタリくるこをと願って、ご挨拶にかえさせていただこうかな。

上演記録

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