歌ってみました! 前編「高音」
2024.10.28
こんにちは、武藤です。今回から連載します。よろしくお願いします。
私は「やってみました!」ことを書いてみようと思います。
去年(2023年)の12月の寒い夜、夫婦で外出しての帰り道。駅の近くで路上ライヴをやっている人がいて、周りに人だかりがしていました。こういうのカミさん好きなんだよと思ってカミさんの方を見ると、やはり、気になるようで、そっちを見ています。私は「先に帰るよ」と言うとカミさんは「うん」と言って輪の中に入っていきました。薄情と思われようと、還暦になってからは特に健康管理に気を配る私でした。
私が家でヌクヌクくつろいでいると、カミさんは何曲か歌って満足そうに帰ってきました。「ボイストレーニング グループレッスン 1,000円&1ドリンクオーダー」というチラシを持っていて、「こういうのやっているんだって」と言ってきます。ボイストレーニングか?名前は前から聞いていたけれど具体的には分からない。声の訓練?それが1,000円で体験!つまらなかったら1回で止めればいいじゃない・・・ということで「行こうか」と答えるとカミさんはうれしそうに「うん」とうなづきました。
1月の第二週の土曜日、グループレッスンの日。期待半分不安半分でグラストンベリーという週に一度だけ開いている音楽好きな人が集まるバーに行きました。受付で参加費とドリンク代を払い。空いている席に座ります。当然ですが、知らない人ばかりです。参加者は10人弱。
「こんにちは、よくいらしてくださいました」
そう話しかけてくれた先生はLINOボイストレーニングスクール代表で歌手でもある大坪洋三さんという方です。
まずは呼吸と発声。基礎的なことをやった後に、参加者とコミュニケーションを取りながら、いろいろな発声法を教えてくださいました。お芝居の発声とは違います。歌の息継ぎのための発声。いろいろな声を出すための発声など。先生は初心者にも分かりやすく説明してくれます。1時間のレッスンはあっという間でした。
レッスンの後は歌の発表会です。参加者がそれぞれ2曲歌います。
私は一曲目に八代亜紀さん追悼に「雨の慕情」を、二曲目は曲が格好いい布施明さんの「君は薔薇より美しい」を歌いました。先生のギター演奏付き。ギター演奏はいいですね。カラオケと違って、歌い手に合わせてくれます。歌い手も演奏に合わせようとして、その掛け合いが心地よい。これは中毒になります。楽しかったのですが、サビの部分の高音が出ずに悔しい思いをしました。
月一開催のグループレッスンは楽しいものでしたが、もっと上手くなりたいと思って、2月から月1で個人レッスン(カミさんと二人でのペア)を受けることにしました。
目標は「君は薔薇より美しい」のサビの高音を出すこと。先生はいろいろな方法でアプローチして、私にとって有効な方法を見つけてくれます。そして、辛抱強く効果が出るのを見守ってくれます。レッスンの中に裏声から地声に徐々に変えていくというのがあり、私はこれが全くできなかった。裏声から地声に変わった瞬間に音階が変わってしまうのです。家でもカミさん相手に(カミさんは大学の音楽学部出身なので音感は確かなのだ)稽古しました。ある時、時間は掛かるが音階を変えずに出来るようになりました。5月のことです。先生のレッスンのおかげで高音も徐々にではありますが、出るようになってきました。
8月のある日、先生は言いました。「武藤さん、お祭りで歌うんですけど、出ませんか?」・・・さてどうなることでしょう!?