キャスト
- 坂本卓
- 宇納佑
- 伸一
- 福本伸一
- 章子
- 和田都
- 伊東
- 岡山一
- 小松
- 与儀省司
- 歌江
- 大草理乙子
- 佳江
- 早川晃子
- 夢楽
- 竹内義明
- 金子
- 熊川隆一
- 美紀
- 深澤美恵
- 龍馬
- 木村靖司
- さな
- 溝口直子
- 千代
- 平田恵子
- 磯貝
- 義若泰祐
- 松
- 平野裕美
- 新之介
- 武隈繁美
- ふさえ
- 清水真由子
- やよい
- 宮内わこ
- こまこ
- 星野菜穂子
スタッフ
- 作・演出
- 鈴木聡
- 美術
- キヤマ晃二
- 照明
- 板谷静男
- 音響
- 藤居俊夫
(ステージオフィス)
- 舞台監督
- 村岡晋
- 音響操作
- 島猛
(ステージオフィス)
- 大道具
- C-COM
- 小道具
- 高津装飾美術
- 衣裳
- 東京衣裳
喇叭屋衣裳部
- かつら
- 丸善
- 着付け指導
- 装道きもの学院分室
椿君江
- 宣伝美術
- 与儀法子
- 協力
- 伊香保温泉・秀水園
竹本綾乃助
竹本綾一
劇団てあとろ50’
- 制作協力
- ネビュラプロジェクト
山家かおり
- 制作
- 喇叭屋制作部
- 企画・製作
- サラリーマン新劇喇叭屋
あなたとオバケと春の夜
温泉は、愛人とひっそり行く。つまり、いろっぽい。
温泉は、ハイな気分でダジャレがふえる。つまり、ケラケラ笑う。
温泉は、ニッポン人だなあ、なんて思う。つまり、シミジミする。
温泉は、団体さんがドンチャン騒ぎする。つまり、お祭りみたいだ。
温泉は、芸者さんが三味線を弾く。つまり粋。
温泉は、秘湯伝説の看板がある。つまり、ナニか出る。
温泉は、ツルツルの顔で帰る。つまり、リフレッシュ。
というわけで、温泉みたいな芝居をします。
どうぞ、一泊しに来て下さい。(食事は付きません)
夢の中温泉のスケッチ
温泉の達人が、ある日、私にこう言った。「人は温泉に幽霊になりに行く。我と湯気との境界線をなくし、ゆらゆらと、もやもやと心を自在に解き放つ。だから人は温泉から帰るとき、生まれ変わった心地がするのだ。」
夢の中温泉の「夢想の湯」につかりながら私は何度もその言葉を思い返した。渡り廊下に囲まれたこの露天風呂は、かつて坂本龍馬が長湯をし、契りを交わしながらも結ばれることのなかった永遠の恋人、佐那に思いを馳せた湯と伝えられている。
濛々と立ち込める湯気の中から、梅林の向こうに梅が見える。なるほど、夢想にはぴったりだ。龍馬ならずとも、果たせなかった思いや恋が息を吹き返し、熱に踊る龍のように体内を駆け巡る。その夜、湯あたりした私は夢を見た。私の幽霊が湯気となり夜をさまよい、泣いたり笑ったりする夢だった。(花岡実太/旅行ライター)