劇団ラッパ屋

第44回公演
『父の黒歴史』

2018年1月20日(土)~28日(日) 12ステージ @紀伊國屋ホール

第44回公演『父の黒歴史』
第44回公演『父の黒歴史』
第44回公演『父の黒歴史』
第44回公演『父の黒歴史』

キャスト

富坂光文
松村武
牟田佐和子
大草理乙子
牟田宏
熊川隆一
富坂昭和
宇納佑
富阪平成
青野竜平
富坂夏夫
福本伸一
富阪冬美
弘中麻紀
木戸多佳子
谷川清美
和久井ひろ
岩橋道子
佐野絹子
ともさと衣
吉井雅子
八幡みゆき
荒木悦子
三鴨絵里子
西田伸郎
岩本淳
細野文雄
浦川拓海
勝村泰
俵木藤汰
松岡祐希
林大樹
金子二郎
おかやまはじめ
今泉英輔
木村靖司
佐藤茉莉絵
豊原江理佳
山田幸也
武藤直樹

スタッフ

脚本・演出
鈴木聡
美術
秋山光洋
照明
佐藤公穂
音響
島猛(ステージオフィス)
衣裳
花谷律子
演出助手
村西恵
舞台監督
村岡晋
照明操作
松村光子
過足文子
音響操作
齋藤正樹(ステージオフィス)
衣裳部
木村春子
舞台監督助手
藤林美樹
小道具協力
冨田直美
美術助手
古謝里沙
大道具
C-COM 林口奈未
拓人
小道具
高津装飾美術 中村エリト
トランポ
帯瀬運送
宣伝美術
m9design
舞台写真
木村洋一
宣伝
吉田プロモーション
協力
ポスターハリスカンパニー
竹内義明
Artist management
尾木プロTHE NEXT
円企画
ノックアウト
ワタナベエンターテインメント
ビクターミュージックアーツ
ミーアンドハーコーポレーション
藤賀事務所
ワンダー・プロダクション
グリーンメディア
スターダス・21
Special thanks to
伊澤玲子
市野恭子
江畑典和
下條昌恵
中島まり子
野本綾
船津好江
松原友美
渡辺みさ
制作協力
リトル・ジャイアンツ
票券
北澤芙未子
高橋ゆうき
制作助手
島村楓
制作補
大橋さつき
制作
山家かおり
吉田由紀子
江口紀子
早川晃子
提携
紀伊國屋書店
助成
芸術文化振興基金
主催
ラッパ屋
共催
ミーアンドハーコーポレーション

第44回公演『父の黒歴史』

チラシの裏口上

 「黒歴史」はネットでたまに見かける言葉で、一般的には「当事者にとってなかったことにしたい歴史」というニュアンスで使われている。たとえば「♪~Heyガキどもナメんじゃねえ 絶望を抱えて生きるんだ~」と歌って人気の、悪魔郎というパンクロッカーがいたとして、実はかつて「夢いっぱい ウッキッキ」という子供番組で歌のお兄さんをやっていたとしたら、それは彼にとって黒歴史である。「なんだよ、歌いながらツル折ってんじゃん。ダセエ」ということになりかねない。だが彼が正々堂々と過去と向き合い「売れなかった頃の仕事なんだよね。最初は抵抗あったよ。でも子供たちが教えてくれたんだ。世界はLOVEだってことを。それがいまの俺の歌に生きてる。あの時代に感謝!」とブログに書けば「やっぱ悪魔郎さんヤベエ!」とかえって株を上げるかもしれない。本人の筋の通し方しだいで、黒歴史は白歴史にもなり得るのである。
 さて「父の黒歴史」とはなんであろうか。ちょっと皆さん、お父上のこと、ご主人のこと、ご自分のことを考えてみていただきたい。「え、パパがもしかしてあんなことを・・」「あの人にもしかして隠された歴史が・・」「いやいや、あのことだけはバレたくない・・」。瞬時にして、頭の中をさまざまなアレコレが駆け巡ったであろう。だが今回、僕はそんなことは書かない。なぜならあまりに恐ろしすぎて観に来る人が減ると困るからだ。もうちょっとスケールの大きな変わり者、というか、スペシャルな父の話だから大丈夫。
 東京郊外。資産家である齢九十になろうとする父。過去には愛人をたくさんこしらえて腹違いの息子・娘が何人もいる。その父が、こともあろうか選挙に出ると言い出した。金に糸目をつけぬ選挙戦。群がる有象無象。財産目当ての子供たち。足を引っ張ろうとするライバル。そしてある日、ひょんなことから父が隠していた黒歴史が暴かれそうになり・・莫大な資産の秘密が露見する?・・そして父は黒歴史を白歴史に変えられるのか・・!?
 いや、もうね、いまや複雑怪奇、何が起こっても不思議じゃない世の中ですからね、現実に負けないように、人間たちの欲や計算、人情や正義がくんずほぐれつになる大人の喜劇をやろうと思います。ニッポンや昭和の黒歴史とも重なって、思いのほかスケールの大きい話になるかもよ。乞ご期待!(鈴木聡)

パンフレットより

昭和のお父さん

 「父の黒歴史」に登場するお父さんは昭和元年生まれ。御年90歳。超元気。100円ライターをつくる会社の社長で、息子は還暦を過ぎたのにまだ代を譲らない。エネルギッシュで女性関係も凄かった。2人の妻と4人の愛人の間に合計8人の子供をつくった。頑固でお茶目、無茶苦茶なようで優しい。そんな一筋縄ではいかない、昭和という時代みたいなお父さんが、家族と周囲の人々を振り回し、珍騒動が起こります。
 昭和の真ん中あたりで生まれた僕は、この時代を故郷のように思っている。その残り香を求めて下町のスナックにふらりと入ったりする。なんと言いますかねえ、経済と合理性と良き市民モラルに一元化しちゃったような平成に比べてね、不恰好で不条理なんだけど、味があったんだよなあ。昭和がとっ散らかったカオスみたいな部屋だとすると、平成はみっともないガラクタを押し入れに隠した清潔な部屋みたい。ガラクタが面白いのになあ・・なんてノスタルジーにひたってばかりもいられない。そろそろ平成も終わるらしいし、昭和への愛を胸に抱きながらも次へ進まなきゃ。「父の黒歴史」には、そんな複雑な思いを詰め込みました。お楽しみいただければ幸い。
 ご観劇後は味のあるスナックもしくは居酒屋で、芝居や時代やうちのお父さんの話で盛り上 がっていただければ嬉しいです。(鈴木聡)

上演記録

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